Q 指しゃぶりやハンカチしゃぶりなどの悪いくせはどうしてでるのでしょうか? また、その直し方を教えてください。
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これらのくせは見た目にも悪く、しつけの上からも早く直したいものです。また、これらのくせがいつまでも続くと、噛み合わせが悪くなる病気(不正咬合)の原因ともなります。
しかし、これらのくせは子どもが成長していくときにみられる本能的な行動と深く結びついていると言われています。そこでただ叱って強引にやめさせようとすると、その後の精神的なゆがみの原因ともなりますので、かえって危険です。
事実、最近の医療機器の発達により胎児の動きが外から観察できるようになってきましたが、この機械を使用して観察したところによると、8~9ヵ月の胎児ですでに指しゃぶりが始まっているということです。
子どもの口に関するくせにはこの他に爪を噛むくせ、唇をかんだり吸ったりするくせ、舌を上下の歯の間にはさんだり、舌で歯を押したりするくせなどがありますが、これらのくせはたいてい3歳の初めまでになくなってしまうのが普通です。
これらのくせが4歳位までに直れば、これが原因で生じていた不正咬合も自然に治ってしまう場合が多いですが、4歳をすぎてもこれらのくせが残っている場合は不正咬合が永久化する可能性があります。
悪いくせを直すには、これらのくせがその子の心の深いところから出ていることを十分理解し、ただ叱るのではなく、子ども自身がこのくせをやめようと努力させることが必要です。そのためには、親御さまや家族が協力者になって、くせが出たときは常にやさしく注意してあげ、くせをやめようと努力している子どもを元気づけてやることが必要です。
またくせが出るのがどんな状況か観察し、そのときには他のことに関心を持たせる努力も必要と思われます。本人も努力しているのに、どうしてもこれらのくせが直らないときには、本人の理解のもとでしゃぶれないように装置を指につけたり、口の中に装着したりする方法もありますので、小児歯科や矯正歯科の専門医に相談されることをお勧めします。
- 新入(園)学を機会に歯の健康保持について考えよう