江戸時代の木の入れ歯
日本の木の入れ歯の歴史はどのぐらい?
日本に残っている一番古い木の入れ歯は、和歌山市願成寺の尼僧(通称仏姫)が入れていたものです。仏姫は1538年に亡くなっているので、すでに室町末期に木の入れ歯が作られていたことになります。江戸時代には、入れ歯づくりを専業にする入れ歯師が誕生し、徳川将軍綱吉の剣術指南役であった柳生宗冬の木の入れ歯を彫ったと言われる小野玄入などの名人がいました。入れ歯師は、木の仏像を彫る仏師や根付師など木彫の技術を持った職人が転業したのです。
日本の木の入れ歯は、蜜蝋で顎の型を採り、480年前にあごに吸いつく技術で作られていました。江戸時代に木の入れ歯を入れていた有名人には、本居宣長、杉田玄白、滝沢馬琴、柳生宗冬などがいます。