江戸時代の歯科医師による治療
「人倫訓蒙図彙」
江戸時代の歯痛の治療は?
奈良時代には、耳目口の三科が一科でした。平安時代になると、口科(歯科)が独立し口中医が誕生しました。口中医は、公家、武家など上流階級を対象に、口の中全体が守備範囲で、歯、歯肉、舌、喉などの治療をしていました。江戸時代になると、入れ歯づくりを本業にする入れ歯師が誕生します。入れ歯師は、主に庶民を対象に入れ歯づくりや、歯痛や歯くさ(歯周病)の治療や抜歯を行っていました。口中医や入れ歯師が副業で売っていた歯痛止め薬には、
字、胡椒、明礬、乳香などが含まれており、現代の知識で判断しても薬効があります。薬売りの香具師は、街頭で居合い抜きやこま廻しをして人集めをし、歯痛止めの薬や歯みがき粉を売っていました。