房楊枝を用いた歯みがき 芳年画
江戸時代の歯ブラシは?
奈良時代や平安時代には、仏教の影響により公家、僧侶、武将など上流階級の間で歯みがきが行われていました。歯みがきが庶民に
普及したのは、江戸初期(1624~1704年)です。その背景には、房楊枝の考案と歯みがき粉の商品化があります。房楊枝は、京都の郊外で考案され、猿屋の商品として売り出されました。
房楊枝の材料は、柳や黒文字の木の一端を木槌で叩き、針を並列した器具で梳いて繊維状にしました。浅草寺境内の楊枝店は、美人の看板娘を置いて房楊枝を売っていました。徳川三代将軍が、浅草寺にお成りの時、楊枝店を休息所とし有名になりました。
美女が、房楊枝で歯みがきをしている図が浮世絵に多く描かれています。