西洋の抜歯器具の始まりは?
西洋の抜歯器具は、いろいろな器具が考案されていました。麻酔が発見されるまで、患者さんに痛みや傷をくわえても、短時間に手早く歯が抜けるのが重要でした。抜歯器具のなかでも有名なペリカンは、器具の爪の形が鳥の嘴に似ているのでそのように呼ばれ、古くから使われていました(1400 年頃~ 1750 年頃)。また、当時の家屋のドアの鍵に形が似ていた歯鍵(1750 年頃~1850 年頃)は、歯を抜くときの支点を歯や歯肉に置くため、痛みが強く傷口は大きくなりますが、世界中で便利に使われていました。麻酔が発見され普及してくると、ペリカンや歯鍵などの器具は使われなくなり、そのほかのそれまで使われてきた鉗子(俗称ヤットコ)や挺子は、それぞれ改良が加えられ、現在も使われています。
ペリカン・歯鍵