僕のゆび

親ゆび、パパの指。ママの指は、人指しゆび。中ゆびお兄ちゃん。薬ゆびはお姉ちゃん。赤ちゃんの指は小ゆび。
毎日なめてる親ゆびは、タコができてます。かたくて、ひびが入ってます。

「なめてるお指は、どんな味」
「あまくて、おいしいの」

夜チュクチュクチュッチュッ
「おや、おや、何だろう。ねずみかなー」
チュッチュツ
「うーん、ちがうちがう」
ママとパパは、音のする方へ行きました。
マーちゃんは、夢中で親ゆびをなめてます。

「ポーン」お指を取ると音がします。
夢の中にいたマーちゃんは、又、すぐに、
チュクチュクチュッチュッ
「あれ、あれ、困ったわ」
ママとパパは、顔を見合わせました。

「そうだ!パパのくつ下をマーちゃんのお手手にはめてみよう」
さっそくお顔の書いたくつ下をはめました。

その夜、マーちゃんは、親ゆびをなめようとしたら、
「おや、へんだへんだ」
お指にくつ下があるので、おロに入りません。お顔が書いてあるくつ下を見て、びっくリびっくり

次の日も、ママは、こっそりマーちゃんがスヤスヤ寝てる間に、パパのくつ下をはめました。
お顔のついたくつ下を見てびっくりドキドキ
親ゆびをなめてたマーちゃんは、お顔が書いてあるくつ下で、指しゃぶりがなおりました。

ママとパパは、
「よかったよかった」
「あんしんあんしん」

それから何日かが過ぎました。
「あれあれ指タコがなーい」
あんなにかたかった指タコが無くなりました。
もっと不思議なことに、おそばがかめなかったのに、おいしいおそばやラーメンが食べられるようになりました。
上の前歯と、下の前歯がぶつかるようになったのです。

「サクラがサイタ、サシスセソ」
「サクラがサイタ、サシスセソ」
はっきり言えるようになりました。
「おめでとう、おめでとう」

僕のゆび

文・あびる のぶこ/絵・てらだ のぼる