妊娠性歯肉炎 妊産婦検診
- 執筆者
- 神奈川県歯科医師会・相模原市歯科医師会会員 豊田 巳紗
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2025/03/04
- 歯とお口の基礎知識
妊娠するとむし歯になりやすくなる、歯が弱くなるって聞いたことありますか?
・ 食生活の変化(食事の回数の増加)
・ ホルモンバランスの影響で唾液の分泌量の低下
・ つわりなどで歯磨きがきちんとできない
つわりなどの影響で、1 回で食べられる量が減り間食が多くなったり、たべかすをある程度洗い流してくれる唾液の分泌量が減ることで妊娠中は普段よりもむし歯や歯周病になりやすくなります。
また妊娠中は普段と全く同じようにケアしていたとしても歯肉が腫れてきたり、歯肉から出血しやすくなります。
妊娠により、ホルモン (エストロゲンやプロゲステロンなど)の分泌が盛んになることでプラーク(歯垢)が少し残っているだけでも歯肉に炎症を起こしやすくなります。
妊娠中に起こる歯肉炎を妊娠性歯肉炎と言います。
妊娠性歯肉炎が進行すると、そのまま歯周病に移行してしまうこともありますし、もともと歯肉炎や歯周病のある方はこの時期に悪化してしまうことも。。。
また歯周病は低体重児や早産のリスクも高めてしまうなど赤ちゃんにも悪い影響を与えてしまうこともあります。
元気な赤ちゃんを産むためにも妊娠中はもちろん、妊娠前からのお口のケアが大切です。
妊娠中は歯ブラシを入れるだけでも気持ち悪くなってしまう方もいらっしゃいます。
食後でなくても大丈夫なので体調のよいときを選んでブラッシングするようにしましょう。
ヘッドの小さい歯ブラシをつかう、においの少ない歯磨剤にする、発泡剤の含有量の少ないジェルタイプの歯磨き粉がおすすめです!
妊娠性歯肉炎の場合、つよく力を加えて磨いてしまうと出血してしまうので、力を加えず優しく丁寧に磨きましょう。
体調のいいときはデンタルフロスや歯間ブラシを用い歯と歯の間のケアも忘れないようにしましょう。
歯科医師会では妊婦さんのお口を守るため、生まれてくる赤ちゃんの健康を守るため妊産婦検診をおすすめしています。
女性は妊娠出産でお口の健康を悪化させることが多いです。産後は育児などで通院することが難しくなります。
妊産婦検診を受け、必要な治療は対応が可能な妊娠中期に終えるようにしましょう!
心配事やわからないことはかかりつけの歯科医又はお近くの歯医者さんに相談してみまし ょう!
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豊田 巳紗神奈川県歯科医師会・相模原市歯科医師会会員
みさ歯科