妊婦の歯科検診について
- 執筆者
- 神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会会員 伊東 聡
- 2024/06/13
- 歯とお口の基礎知識
こちらの内容は、
FMヨコハマ「Lovely Day」、「ラブリー♡オーラルケア~歯っとする話~」
2024年5月29日(水)10:00-10:15に放送された内容を記事としてまとめたものとなります。
皆様のご参考になれば幸いです。
この記事の目次
Q.妊婦さんは、ホルモンの関係で、歯周病やむし歯に気をつける必要があると伺いました。
A. 妊娠中は、分泌されるホルモンを餌とする歯周病菌が繁殖しやすくなります。
つわりは歯磨き不足につながりますので、歯ぐきが腫れやすく、むし歯にもなりやすい状態になります。
歯周病の場合、早産や、低体重児の出産の可能性が高まるとの報告もあります。
お母さんのお口の中の状態が、生まれてくる赤ちゃんに大きく影響してくることがわかります。
Q.では、伊東先生、『妊婦の歯科健診』について、詳しく教えてください。
A. はい。『妊婦歯科健康診査』は各市町村長の定める歯科医院にて妊娠中に1回無料*で受けられる(*自治体によって異なります)歯科検診です。
「今ある歯の状況(健康な歯、むし歯や、治療済の歯、喪失した歯)、歯石の有無、歯ぐきの炎症の有無、歯並び、かみ合わせ、顎関節の状態、粘膜の状態」をチェックし、必要に応じて歯磨き指導や、食生活指導も行います。
Q.『妊婦の歯科健診』を受けるタイミングは、いつ頃がいいんですか?
A. 大体、安定期と言われる12週から27週ぐらいがいいと思います。
12週になるとつわりが落ち着いてきますし、27週以降になるとお腹が大きくなって、診療台の上で横になるのが辛くなってきてしまいます。
Q.『妊婦の歯科健診』で、知っておいた方が良いことはありますか?
A. まず知っておいていただきたいことは、出産前後のお母さんの口の中の状態が、生まれてくるお子さんにダイレクトに影響してしまうということです。
お母さんのお口の中が綺麗でむし歯がない状態だと、生まれてきた赤ちゃんに、むし歯菌がうつりにくくなります。赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時からできる最高のむし歯予防といえます。
もう1つ。出産直後に歯医者に通う余裕ってなかなかないですよね。出産後にも楽しく、ゆとりを持った育児をしていただくために、出産前の健診や治療がとっても大事になってきます。
“歯科健診でしっかりケア” というテーマのもと、学校歯科検診、乳幼児歯科検診そして妊婦歯科検診について3回にわたりお届けしました。あらためて、伊東先生が、伝えておきたいことを教えて下さい。
神奈川県歯科医師会では、行政と連携のもとに、これらの歯科検診を行っています。
学生さん、乳幼児のいるご家庭の方そして妊婦さん以外の方も、かかりつけの歯科医院を見つけ、定期的に健診を行い早期発見早期治療がお口の健康には何より重要です。
我々、神奈川県歯科医師会会員は、健診で来院されること大歓迎しております!既に定期検診に通っているという人はそのまま、まだの人はぜひ歯医者さんに足を運んでみてはいかがかな?と思います。
「ラブリー♡オーラルケア~歯っとする話~」
「妊婦歯科健康診査」についてのお話
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伊東 聡神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会会員
いとう歯科クリニック