検診でむし歯がなくても歯医者さんに!
- 執筆者
- 相模原市歯科医師会・神奈川県歯科医師会会員 古川 信也
- 2024/08/05
- 歯とお口の基礎知識
予防のため定期的に受診しましょう
幼稚園や小学校に通うお子さんの保護者の皆さんに、「歯科検診では特にむし歯はないと言われましたが、歯医者さんに定期的に通ったほうがいいですか」というご質問を受けることがあります。
歯科医師の立場からのお答えは、「イエス!」です。今回は、お子さんがかかりつけの歯科医院を定期的に受診することが大切な理由をお話しします。
歯科医院ではフッ素塗布や歯みがき指導でむし歯を予防
最近の厚生労働省の統計を見ると、以前に比べむし歯にかかるお子さんが少なくなっています。それだけに、歯科医院を定期的に受診してむし歯にならないよう予防することがとても大切な心がけといえます。
「定期的」というのがどのぐらいの頻度かは、それぞれのお子さんのむし歯のリスクによって異なりますが、リスクが少ないお子さんでしたら半年に1度ぐらいで十分でしょう。
歯科医院では、お子さんのむし歯予防のためにフッ素塗布や歯みがき指導を行っています。
フッ素には歯質を強化し、歯の再石灰化を促進する大切な役割があります。今ではほとんどの市販の歯みがき剤にフッ素が配合されていますので、このようなむし歯予
防効果はもちろん期待できます。
CMなどでお聞きになった方もいらっしゃると思いますが、最近では「高濃度フッ素配合」をうたった歯みがき剤も市販されています。
これは文字通り高い濃度のフッ素を配合した製品のことで、欧米などでは以前から普及していました。
日本ではこれまで厚生労働省の認可が下りなかったのですが、これでようやく欧米並みにフッ素のむし歯予防効果を本格的に期待できる時代になったといえます。
キシリトール入りのガムもむし歯予防やあごを鍛えるのに効果的
高濃度フッ素を配合した歯みがき剤の使用に加え、歯の再石灰化効果のあるキシリトール入りのガムを噛むことを習慣づけるのもいいですね。
ボトルで購入し、たとえば塾に送迎する車内などでお子さんに噛んでもらうと、知らずしらずのうちに歯質が強化されていくことでしょう。
キシリトール入りのガムは、お子さんのあごを鍛えるのにも役立ちます。
近年、食品が食べやすく加工され、軟らかくなっています。あごを使って一生懸命噛まなくても飲み込めてしまうせいか、お子さんのあごはどんどん小さくなっています。
しかし、歯の数は古代人と同じですので、当然のことながら歯ならびは悪くなる傾向にあります。
かかりつけの歯科医院で定期的に診療を受けることは、将来的に矯正治療が必要となる可能性を見つけ出し、対策を講ずる意味でも重要です。
幼少期からの定期的な歯科検診は、生涯にわたって歯とお口の健康を守るための第一歩。ぜひ、励行していただくことお勧めします。
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古川 信也相模原市歯科医師会・神奈川県歯科医師会会員
ふるかわ歯科クリニック