予約制の歯科医院が多い理由【後編】

かかりつけの歯科医院で定期健診を

 

これまで前編、中編と、多くの歯科医院で予約制をとっている理由についてご説明してきました。
簡単にまとめると以下の通りです。

・歯科治療は外科診療に相当するため、予約制として計画的に治療を進めるのが有益であること
・治療経過をチェックし、きちんとしたかぶせ物や入れ歯を提供するためには、予約制としたほうが患者さんの負担が少なくなること

 

歯科医院が予約制をとることで、患者さんには受診のたびに次の予約をとり、長期間にわたり何度も通院するといったご不便をおかけし、心苦しく思っております。
しかし、予約制にはこのようなメリットがあることをご理解いただければ幸いです。

 

ご都合が悪くキャンセルされる場合には

また、ご都合が悪く予約をキャンセルされる場合には、できるだけ早くご連絡をいただけるとたいへん助かります。早めにキャンセルのご連絡をいただけると、急な患者さんを拝見する時間もできます。

無断キャンセルが続く患者さんには、計画的な治療を継続することが難しくなりますので、ご本人にとっても歯科医院にとってもよいことはありません。

そういう意味では、歯科定期検診やリコールなどがとても大切だといえますので、悪くなる前に歯科医院へ通院されることをお勧めします。

 

堪えがたい痛み、苦痛があるときは予約制の有無にかかわらず受診してください

 急に堪えがたい痛みや苦痛に襲われた場合は、予約の有無にかかわらずすみやかに来院してください。
歯科医院が予約制をとっているということは、裏を返せば次回の受診まではこのままで大丈夫ということになります。
堪えがたい痛みや「転んでぶつけた」などの予期せぬトラブルは突然起こりますので、すぐにかかりつけの歯科医院に状況を説明し、診てもらうようにしてください。

昔は、学校歯科検診でむし歯が見つかったときなど、とにかく早めの受診をうながされたものです。

しかし、痛みがない場合は大急ぎで処置する必要がないことが多く、しっかり時間をとって診療したほうが、逆に診療回数が少なく済むことがあります。

まずはかかりつけの歯科医院をつくり、しっかりとした信頼関係を築くことが、診療時間の短縮と治療回数の減少につながると考えています。

 

■引用文献

歯科医院のトリセツ 笠間慎太郎・著 医歯薬出版株式会社
歯科六法コンメンタール(第2版) 社会歯科学会

 

神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会 会員
いとう歯科クリニック 伊東 聡

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