そもそもインプラントってどんな治療なの?
- 2022/08/31
- 歯とお口の基礎知識
インプラント治療をめぐる素朴な疑問にお答えします
インプラントとは、むし歯や歯周病などで失った自分の歯(天然歯)を支えていたあごの骨に埋めこむ人工歯根のことをいいます。
インプラントは、あごの骨に埋めこまれたあと、骨と結合して新しい歯を支える土台(支台)となります。
ここでは、インプラント治療に寄せられた皆さまの疑問にお答えします。
30年以上におよぶ臨床と100万人以上の患者の治療結果に基づいた統計によれば、個々のインプラントの成功率はほぼ95%とみられています。インプラントで支台をつくって行うブリッジの成功率は、さらに高い数字を示しています。
インプラントによる治療費は、修復する歯の本数や埋めこむインプラントの本数など複数の要因によって左右されます。また、インプラント治療の前にいくつかの追加的な治療が必要になる場合もあります。
外傷や歯周病、むし歯などのために1本または複数の歯を失った患者さんなら、誰でもインプラント治療の対象となります。ただし、一部の慢性疾患を抱える患者さんにはインプラント治療ができない場合もあります。
インプラントの最大のメリットは自分の歯のように噛めることですが、次のような効果も指摘されています。
- 1.外観の改善
歯を失うと、顔立ちが老けて見えてくる場合があります。このプロセスは、従来型の入れ歯やブリッジでは食い止めることはできませんが、インプラントによって防ぐことができます。 - 2.天然歯の保護
従来、ブリッジを装着する場合、失った歯の両側の歯を削る必要がありました。インプラントでは多くの場合、健康な歯に手を加える必要はありません。 - 3.生活の質(QOL)の向上
インプラントを支台にした新しい歯は、外観、装着感、機能のいずれも天然歯と同様です。自分の歯と同じように好きなものを食べられ、外観も変わらないことから、QOLを向上させるメリットも期待できます。
インプラント治療でつくった新しい歯は、天然歯と同じように日常的なお手入れと最低6ヶ月ごとの定期的な検査が必要です。
治療を成功させる決め手は十分なインフォームド・コンセント
自分の歯を失った場合の治療法として、インプラント治療はとてもメリットの多い、優れた方法といえます。インプラント治療をきっかけにお口のなかの環境が改善され、ひいては心身の健康につながることが期待できます。
しかし、患者さんのあごの骨の状態や持病などによってはお勧めできないこともあります。
本サイトでは、ほかにもインプラント治療をテーマにした項目がありますので、興味のある方はぜひ参考になさってください。
その上で施術する歯科医師から十分な説明を受け、納得したうえで治療を受けていただくことをお勧めします。
参考
口腔インプラント治療指針2016(日本口腔インプラント学会)
神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会会員
平成横浜病院 青山 繁