手術の前にも歯医者さんに!
~かかりつけ歯科医院は健康づくりのパートナー~

 歯周病やむし歯がさまざまな病気の原因になることがわかっています。
抜けた歯や合わない入れ歯を放っておくと、認知症や寝たきりのリスクを高めるという指摘も。
大きな手術などで思わぬお口のトラブルに見舞われないよう、事前に歯科医に相談することも大切な心がけです。
お口の健康は健康づくりの第一歩、ぜひ「かかりつけ歯科医院」をつくって日ごろからお口のなかをケアしてください。

お口の健康は健康寿命をのばすための第一歩です


歯周病やむし歯は、
糖尿病、肥満、肺炎、心内膜炎、腎炎、菌血症、敗血症、胃腸障害、栄養障害など
いろいろなお身体の病気の原因になることが分かってきました。

お口のなかには、自分では気がつきにくい生活習慣病や全身に悪い影響が出る、いろいろな病気がひそんでいます。
たとえば、歯周病は歯を失う原因になる怖い病気ですが、最近では心臓疾患、早産・低体重児出産、誤嚥性肺炎、肥満など、全身疾患との関連が注目されており、「糖尿病の第6の合併症」ともいわれています。
また、歯が抜けたところや、合わない入れ歯をそのままにしておくと、認知症や寝たきりのリスクが高まるともいわれています。

奥歯でしっかり噛めないことで、お肉や魚、野菜などバランスのよい食事がとれず、ごはんなどやわらかい炭水化物主体の食事になり、たんぱく質不足から筋力低下につながります。
とっさのときに踏ん張りがきかずに転倒し、大腿骨を骨折して寝たきりになってしまうこともあります。
しっかり噛むことで脳の血の流れがよくなるため、ご自分の歯がたくさん残っている人はそうでない人に比べ認知症になりにくいと考えられます。

かかりつけ歯科医院をつくって日ごろからお口のケアを

最近、歯科領域では全身麻酔で行う手術や抗がん剤投与、放射線治療、緩和医療などの前後にお口のケアを行い、思わぬトラブルを予防する「周術期等口腔機能管理」が注目されています。
病気で外科手術などの治療をする前にお口のなかをしっかり管理しておかないと、全身麻酔のときに揺れている歯が抜ける、手術後に肺炎になる、傷が化膿する、熱が出る、入院が長引くといったトラブルの原因になることがあります。

 いざ病気が見つかると、「治療まで10日前後しかない」という場合もけっしてめずらしくありません。
そんなときにあわてないよう、日ごろのお口のケアが大切です。
別に歯は痛くないから、怖いから、面倒だから――そんな理由で「最近、歯医者さんに行っていない」というあなた!

お口の健康は健康づくりの第一歩です。
ぜひ、「かかりつけ歯科医院」をつくって日ごろからお口のケアを受け、怖い病気を予防しましょう。


※日本歯科医師会「かかりつけ歯科医について」

神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会会員 
河原歯科クリニック 河原 正和
 

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

もくじ