たかが入れ歯(義歯)なんて言ってはダメ
日本人の平均寿命は80歳をこえていますが、歯の「寿命」はその年齢まで達していないのが現実のようです。それ故にある年齢になると「義歯」を使う人が多くなってきます。義歯を使っている人が少しでも快適な食生活を送り、健やかな日常生活を過ごしていただくために、義歯の手入れと取り扱いについて説明をしたいと思います。
義歯は、その人のロに合わせたオーダーメイドで精密につくられています。また、自分の歯と同じようにいつも清潔にしておくことが大切です。義歯を使いながらよく噛むことによって健康的な生活を送るためにも、次のことに注意しましょう。
- 義歯にも付く歯垢
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歯垢は義歯にも付き、細菌の巣となります。歯垢は、部分的な義歯の場合は隣の自分の残っている歯をむし歯にしたり、歯槽腹漏にしたりします。総義歯の場合でも歯肉を腫らしたり、口臭の原因となったりします。
食後は歯ブラシなどで歯垢を落としましょう。また、寝る前には義歯をはずし、容器(コップなど)の中に入れておいてください。そして週に一度ぐらいは義歯洗浄剤に浸して汚れをとるようにしましょう。
- 義歯は精密機器
- 義歯は非常に精密につくられていますので、落とすと割れたり、変形したりします。また合わない感じがしても、自分で削ったりバネを動かしたりしないようにしましょう
- 義歯にも慣れがある
- 義歯を入れると話しにくかったり、発音が違ったりするように感じることがあります。今まで歯のなかった口に義歯が入り、口の中が狭くなり、舌の動きが変わったためです。また、食物の味や、温度に対する感覚が変化しおかしいという不満がある場合がありますが、義歯に慣れることによって徐々に解消されることでしょう。
- 義歯も定期点検(検査)
- 噛み合わせの悪い義歯や、歯肉にあたって痛い義歯を我慢して使っていると、あごの関節が痛くなったり、歯肉に腫れものができたりすることがあります。また、顎の形が年をとると変化するため、適合の良かった義歯でも合わなくなることがあります。痛いとか、歯肉がはれてきた場合以外でも、定期的に(半年か一年に一度)歯科医のチェックを受けましょう。
- 義歯の寿命
- 義歯は、壊れた場合や、残っている自分の歯が抜けた場合などを除いては、義歯の手入れをよくすることと、歯科医の定期点検を受け、口の中の健康管理をきちんと行えば、体重の極端な変化など、やむを得ない場合を除いて、その寿命を延ばすことができるでしょう。
以上のように義歯についての注意点をあげましたが、これらの諸点を注意し義歯を自分の歯のような感覚で使いこなし、食物を噛み、健康なこれからの人生を送りたいものです。