わが家のむし歯予防対策

むし歯を予防するには次の4つを実行すれば十分です。

1.きれいに歯を磨く

2.砂糖の入ったおやつをできるだけ少なくする

3.フッ素を塗ってもらったり、フッ素の入った歯磨きを使ったりして歯を丈夫にする

4.6ヵ月に1回は定期検診を受けて、歯の状態をチェックしてもらう

しかしこの4つを幼児に実行することは、なかなかむずかしいことで、ここにお母さまたちの悩みがあります。そこで、今回は神奈川県歯科医師会が20年以上も前から行ってきました「乳幼児間食無糖育児コンクール」で、優秀な成績をおさめたお母さまたちの育児レポートの中から、特に1と2に対する体験を紹介してみなさまのお役に立てたいと思います。

1:歯磨きについて

どの家でも、まず実行するむし歯予防対策は歯磨きだと思います。

しかし、小さな子どもにこれがスムーズにできる家庭はほとんどないようで、育児レポートでもお母さまの悪戦苦闘ぶりがよくわかります。

1:歯磨きについて

小さな子どもは当然うまく磨けませんので、お母さまが仕上げ磨きをしてあげることになりますが、Aさん「いやがって泣き叫ぶ子どもを両足でおさえつけて口をあけさせ、無理やりに歯磨きをさせる」など、お母さま自身も情けないような思いをして頑張っても、無理にやった場合はあまりうまくいかないようです。

このような場合でも、Bさん「お父さんが一緒に協力してくれると不思議に暴れずに口をあけるようになりました」という育児レポートが多くみられ、お父さまをはじめとした家族の協力が大切で、お父さまや家族の人が子どもの歯磨きに批判的だったり、無関心だったりするとますますうまくいかないようです。

また、歯磨きが好きになるようにいろいろな工夫もみられます。

Cさん「歯磨きが好きになるように、子どもの手の届く場所に色や柄のちがう歯ブラシを常時5本はさげています。子どもはその日の気分で歯ブラシを選んできては磨くようになり、仕上げ磨きも、いやがることなく口を開けて……」とか。

また別のレポートでは、Dさん「歯磨きを楽しいものにしようと歯ブラシや小物は自分の好きなものを選ばせました(自慢のウルトラマン歯ブラシ)」など、子どもの気持ちを大切にして、いやがる歯磨きを成功させた報告が目につきます。

2:お砂糖をできるだけ少なくしたおやつについて

甘いものをできるだけ減らしたおやつはむし歯予防の基本ですが、これがまたたいへんむずかしく、どのお母さまも大変苦労することだと思います。

育児レポートから見てみますと、

Eさん「間食については与える時間は3時を基準として小皿に載せて、3~4種類、精神的満足がいくように配慮して、1週間に1度くらいはクッキー等手づくりのおやつを大騒ぎしながらつくっています。砂糖を減らしてスキムミルク、人参、カボチャなどを入れて、型は市販のものより悪く、素朴な味ながらも、子どもたちは自分たちも手づくりに参加したということで喜んで食べています。

アメ、・チョコは三歳までは控えていたのですが、以降は上の子どもの関係もあり、パラチノース入りを少し与えるようにしました。パラチノース入りは砂糖入りのものに比べると甘味はかなり落ちるようですが、元来砂糖の味をあまり知らないせいか、はしゃいで食べています」など、理想的と思える育児をしているお母さまもいます。ふつうの家庭ではなか’なかこうはいかないかもしれませんが挑戦してみてはいかがでしょうか。

パラチノースはキシリトールと同じようにむし歯をつくらない甘味料ですが、この他にもむし歯をつくらない甘味料を使用したアメやお菓子が販売されていますので、利用するのもよいと思います。むし歯予防はお母さまだけが頑張ってもむずかしいもので、家族そろった取り組みが大切のようです。