Q 新入園する子どもの口の中のチェックはどのようにしたら良いでしょうか、そのポイントを教えてください。

A

新入園する子ども(3・4歳児)では上下20本の乳歯がすべて生えそろっています。そして噛む刺激によってあごの骨はどんどん大きくなっていく時期です。むし歯については、3歳まで少なかったむし歯が急に増えてくる時期です。

これは、お母さまの手元を離れて、お友だちと遊ぶ機会が多くなり、生活習慣が大きく変化することと、食べ物の種類が多くなったり、その中に甘味食品が増加したりするためと思われます。

新入園する子どもの口の中のチェックはどのようにしたら良いでしょうか、そのポイントを教えてください。

このころのむし歯は一番奥の歯と奥から2番目の歯の間にできるものが多く、同時に2本のむし歯ができたことになります。このむし歯を放置して深いむし歯にしてしまうと、痛みのためにあまり噛まなくなって、あごの骨が十分に発育できなくなってしまいます。

また、むし歯によって歯の頭の部分がくずれてしまうと、隣の歯が傾いてきて永久歯の生える場所がせまくなってしまい、歯並びを悪くする原因となります。

お母さまはいつも子どもの口の中を注意深く観察し、この部位にむし歯ができていないか、色が変わっていないかをチェックすることが必要です。上の歯のむし歯はみえにくいので、膝の上にねかせて、光を十分にあててチェックする必要があります。少しでも異常に気がついたら、すぐに歯科医院にいって検査を受けることをおすすめします。

また、あごの骨が正常に発育しているかどうかもチェックしてみましょう。このチェックは前歯の間にすき間ができているかを観察することです。乳歯は2歳半で生えそろいますが、このときは前歯にはすき間がありません。3・4歳になってあごの骨が大きくなってくると、歯は生えたままの大きさで変わりませんので、歯と歯の間にすき間があいてくることになります。

4歳になっても前歯にすき間がない子どもはあごの発育が不良です。永久歯の歯並びが悪くなる可能性が高いといえます。むし歯があれば治して、固い物を食べるようにしましょう。

                   
新入(園)学を機会に歯の健康保持について考えよう