入れ歯との上手な付き合い方

入れ歯との上手な付き合い方

入れ歯をいつ入れたらいいのか、また、その扱い方にいて、悩んだり、困ったりしている人がたくさんいます。

入れ歯なんて具合の良いわけありません。仕方ないから入れる代用品です。ただひたすら慣れるしかないのです。これはもうあきらめの境地といえましょう。でも入れ歯は入れなければならないのです。

入れ歯と一口に言っても、残っている歯に取り付けてしまって、あたかも自分の歯であるかのごとくに使っているものと、取り外しのものとに大別されます。

いろいろと面倒なことが多いのは後者の取り外しの入れ歯です。沢山の自分の歯を残している人の中には1本や2本の歯がなくなっても不便を感じずに、そのまま放置している人もみられます。

一見、なんの支障もないようにもみられますが、これは大きな間違いで、あとになって大きなハンディを背負うことになるのです。たとえば1本の歯を抜いたままで放置しますと、両隣りの歯がそのすき間に寄ってきます。噛み合わせの相手となっていた歯もそのすき間を埋めるかのように伸びてくるのです。そうして長い間には歯のあった部分のすき間が埋まってしまいます。

入れ歯との上手な付き合い方

あとになって反対側の歯が具合悪くなり、入れ歯を入れたいと感じるようになっても、もうその時には入れるだけのすき間がなくなっているのです。抜けた歯の部分では今までのように噛めませんので、これをかばうような噛み方をしているうちに、本来、自分が持っていた正しい噛み合わせも崩れてしまうのです。左右のあごの関節に加わる力も均一なものでなくなり、やがて背骨も曲がってしまうということにもなるのです。

1本抜けたら1本入れる、2本抜けたら2本入れるというようにしてこそ、総入れ歯になるまで自分の持って生まれた正しい噛み合わせが持続できるというものです。多数の奥歯を失っても入れ歯を入れずにいて、いよいよ前歯がなくなって大騒ぎをする人がいます。前歯がなくなったのではみっともなくて人にも会えず、それに発音という点でも大きな支障をきたします。こうした人がきちんとした入れ歯が入れられると思ったら大間違いです。

1本抜けたら1本入れ、2本抜けたら2本入れきた人とまったく同じに具合の良い入れ歯が入ったのではまったく不公平であり、そんなうまい話はありません。多数の歯を失っても入れ歯を入れずにきた人は、ここに来て大きなツケを払わされることになります。噛み合わせはガタガタになってしまっていて、あごの土堤(ドテ)もなくなってしまっているのですから、入れ歯がなくてはならないときになっても、調子の良い入れ歯など望むべくもないのです。

入れ歯との上手な付き合い方

人生80年時代を長寿時代とするには、一生自分の歯で食べる必要があります。しかし不幸にして歯を失ったその時には、必ず入れ歯を入れなければいけないことを再認識して欲しいものです。