神奈川県歯科医師会について一枚の絵

Vol.1505

「爽夏」 佐藤 正会員

 昭和12年。小学6年生の夏休みから3年続けて10日間の日程で河童橋の対岸の白樺林でキャンプ生活。麻布のテントは雨漏りするので、五千尺旅館左隣の緊急医療所に泊まり込みをも許されて。
 その中に一水会の甲斐仁代先生とお弟子さん方も居られ、晝間はお前も絵を描くのと褒められました。
 河童橋下の底が見える水深は七米と云われ、氷水のように冷たい川辺で食器を洗いました。
 大正池の枯木の多数は瑠璃色で調和は美しく。焼岳の山頂からは今も瑪瑙の深みの色と目に浮かびます。
 神秘的な明神池への道幅は下山の登山家たちには挨拶の声をかけ一米の狭道をゆづりました。
 「爽夏」の田代池、昔は池も広く深く靜寂な池の畔りはゲートルを草露がぬらした思いを絵にかけました。
 星空の月夜の上高地。青い空、白い雲、穂高連峯、樹々草の緑。上高地はすべて清澄でまぶしい想い出が浮かびます。今は一枚の葉、一個の石にも触れてはならぬ環境保護とすべて変わった上高地となりました。

(著 本人)