神奈川県歯科医師会について一枚の絵

Vol.1502

「残雪の鹿島槍を望む」 北川 禮太郎会員

 この絵は信濃大町の街はずれ、鹿島川の川原に降りて、鹿島槍を描いたものです。
 里はいまや春、北アの高山はまだ真冬。晴れていればかくも純白の峨々たる山頂を連ねているのです。
 私はかねてこの双耳峰の鹿島槍を絵にしたいと思っていたのですが、チャンスはなかなかやって来ませんでした。数年に一回行けるか行けないか、それに天候に左右されますから。この時は全く快晴に恵まれたのです。二日三日のなか日。いやぁ良かったです。ぼーっとした前山の紫紺の山肌の上に切れんばかりの鋭い山稜を聳えさせている鹿島槍。まぁその素晴らしさに引きずられて筆をとったわけです。スケッチの早描き透明水彩とガッシュの混合で約二時間、川原は暑い位で、小鳥の囀りを川柳の淡い黄色にむせびながらの至福の春の一刻でした。

(著 本人)