神奈川県歯科医師会について一枚の絵

Vol.1408

「下田港」 大竹 雅子会員

 私は、ここ数年友人の住んでいる伊豆下田へ年に3〜4回訪れる。ここは1854年黒船艦隊に乗ったペリー一行がイカリを降ろし、日本開国の舞台になり歴史が作られた所である。街並みを歩くと旧跡が多く、静かな空間に身を委ねていると日常の雑事がウソのようである。またここは、伊豆七島への漁場の出入り港である。船に乗り波しぶきをあび沖に出ると、手を出せば取れそうな入道雲、ダイヤモンドを散らばしたような青く遠くに広がる地平線。何もかも自然の醸し出す美しさに、タメ息が出てしまう。詩人ゲーテは「空気と光と友人の愛、これだけ残っていれば落胆することはない」と言っている。この自然の中にいると不思議とそんな気分になる。
 帰りの車中、ウトウトしながら目がさめると、現実の時間にもどされる。多すぎる休日は苦痛なのかもしれないが、下田はつい長居したくなる魅力の街である。

(著 本人)